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親に愛されなかった人は、どうすれば良いのか?

インナーチャイルドを癒す


物理的精神的虐待や性的虐待、ネグレクト、子供への依存心から共依存関係に引きずり込むなど、自我が確立されていない親に愛情を注がれず育てられた場合、大概は、かなりマイナスからの人生のスタートとなるでしょう。


幸運にも、もし親以外の人間関係に恵まれたならば、最小限のダメージで自分の人生を取り戻すことができるかもしれません。ですが、幼児期に心を大きく歪められた場合、程度の差はあるにせよ大人になってもトラウマやPTSD、発達障害などに悩まされることと思います。


そして、いつまで経っても満たされない愛情飢餓感から人間関係に愛を求めるが、親子関係で植え付けられた人格形成によって、親と同じような愛する能力の無い人間に愛を求めてしまったり、依存心が強過ぎるが故に人が離れてしまい、苦しい思いをすることとなるでしょう。


共依存関係やDVから抜け出せない、どこにいても孤独や不安を感じる、いつまで経っても満たされない思いがつきまとう…。


大体は心療内科を受診するか、カウンセリングやセラピーなどのセッションを受けると思います。薬で意識を鈍らせるか、改善する保証もなく膨大な時間とお金が掛かります。


カウンセラーやセラピストを、自身だけではどうしても乗り越えられない急場の時の、心のガイドとするのは良いとは思いますが、自身の主体を見失うような依存対象として利用する限り、完全な改善は見込めないでしょう。


では、どのように立て直したら良いのか?


まずは、子供の頃からの否定的な刷り込みを解除しなければなりません。愛されなかった思いやマイナスな自己像を変えていきます。


あなたは自分のことが好きですか?


初めに必要なことは、自分で自分を愛することです。愛される人間になるには、愛する力を取り戻すことです。無条件に愛されず満たされなかったという思いを解きほぐし、心を愛情でいっぱいにしていきます。


1.静かな場所で姿勢を正して座り、目を閉じて呼吸を整え瞑想に入ります。


※ 暗闇が怖い人・妄想に影響を受けやすい人は、電気を点けて目を開けて行って下さい。


2.方便として自分をAとBに分けます。


Aは、統一的なあなた。いつでもあなたに寄り添い愛情豊かで温かく、あなたにどんな欠点やいたらない未熟なところがあろうと、それであなたを判断したり非難したりはしない。素晴らしく完成された大いなる存在のあなた。(ハイアーセルフ)


Bは、さんざん傷付いてきたあなた。愛されない思いをした悲しみ。常に誤解されていると感じる苛立ち。苦々しい思い。怒りや憎しみ。不当に扱われ虐待されてきた悔しさ。満たされない思いを持ち続ける子供のあなた。(インナーチャイルド)


3.鼻から息を吸いながら、Aがこの上ない愛情を持って広く心を開いているところを想像し、AはBの一切の苦しみや悲しみ、孤独感、心の傷や痛みなどのネガティブな思いや経験を、憐れみ深く温かく、全てを受け入れて抱きしめます。更にそれに心を動かされて、Bの心が開いていくところを想像しましょう。Bの痛みや苦しみが、この憐れみ深い抱擁の中で、ことごとく溶け去っていくのを想像しましょう。


4.そして鼻から息を吐きながらAがBに、あらゆる慈しみを送っているところを想像します。癒しの愛を、温もりを、信頼を、励ましを、自信を、自由を、安心を、満足を、喜びを…。自分自身を深く愛します。


これはチベット仏教の、慈悲の行トンレンの前行にもなりますので、自分なりに時間と期間を決めて納得するまで行うと良いかと思います。


トンレンは、後日説明します。


顕在意識は氷山の一角です。その表面下にはとてつもない量の無意識があります。そして意識は無意識の影響を色濃く受けながら、人生はカタチ作られています。問題は、子供の頃から今日まで無意識下に刷り込まれてしまった、否定的な記憶や感情なのです。その刷り込みを浄化して、肯定的な自己像に塗り替えなければなりません。否定的なエネルギーを肯定的なエネルギーで相殺させて変えていくのです。記憶は海馬から大脳皮質に送られ刻まれます。そこからこぼれ落ちない限り記憶は消えませんが、まるで他人の出来事を見聞きしているかのように、心が影響を受けなくなる状態まで持っていくことはできます。


辛い経験にも必ず理由や意味があります。活かしてこその辛い経験です。みなさまが、より良い人生を歩めますように…。